数ヶ月前、夏休みはどっぷり釣りをしましょう、渓流でも湖でもバスでも雑魚でもいいから色々釣りたいと、仲間の藤井氏が言った。
それならば、まずイワナを釣りを案内する、と釣の計画は進んで行く。
当日、午前2時藤井氏が私のアパートへ到着する。
夕方からは激しい夕立が降ったから、ゆっくり様子を見て始めようと話し合い明け方には林道の車止めまで車を走らせた。
その頃、藤井氏は助手席で深く寝息をたてている。
そこで私も渓へ様子を見に行ったが激しく増水した流れは大きな水音を轟かせていた。
運転席に戻り、ゆっくりやるか?藤井氏を起こすか?等と考えていたらいつの間にか私も寝てしまった。
しかし、彼との縁や繋がりは不思議なものだ。tailswingというサイトが立ち上がる前からの付き合いだか、世代を越えて新しい刺激を何時も私に与えてくれる。
目を覚ました時は午前7時を過ぎていた。
藤井氏を揺り起こして釣りをスタートした。
渓は川幅こそ無いものの増水した流れは、魚からの反応を簡単には与えてくれない。
深い森をそれでも突き進む。
近くは無いが進んで行く先には、林道との接点がある。そこで退渓して車に戻るつもりだ。
時折、プールが現れてチャンスかと思ったけど、やはり反応が無い。
まだ水量が多すぎるんだろう。
それでも、魚からの反応が欲しい。
アンサー6㌘のスプーン から、よりアピールの強いメップスの#2をラインに結び、ボトムをゆっくりトレースすると、その日最初の反応を得る事ができた。
赤い胸鰭の鮮やかなイワナだった。
魚はいる。
釣れる魚がいる。
それを見つけるのが案内役の仕事。
状況がわかれば、今度は藤井氏に先行してもらい釣ってもらう。
間も無くして藤井氏にも赤い尾鰭のキレイな秩父イワナがヒットした。人当たりの優しい男だか、内面の彼は拘りが強く頑固な人間だ。今はシルバーとゴールドのスプーンしか使わないという。
イワナに満足した我々は、ヤマメを釣りに下流へ。
そこでも、しっかり釣っていただき、昼食の後はバス釣りに出かけた。
私のバス釣りは30年前からほとんど変わらない。夏休みは野池でライトに遊ぶスタイル。
それを経験していただこうという魂胆である。
タックルも渓流のそのままラインも2ポンドのままだ。
夏の午後、仲間とバス釣りっていうのは、何処か少年時代を思い出す、ビンの炭酸飲料を飲みながら蝉時雨の中釣る、この釣りが好きなのだ。
余談たが、私が渓流で使うラインは2~5ポンドのナイロン。
ルアーが受ける流れの影響を抑えたい時は細く。ルアーをより流したい時は太くと考えている、古いリールだかミッチェル308や408
はワンプッシュでスプールを交換できるのが良い。
日暮れはスモールマウスバスを探しに清流の夕涼みスポットへ。
魚は釣れなかったけど釣りはこれにて終了。
帰り道、温泉に入り、うまい飯を食い。
いろんな話をしながら男同士の時間は過ぎて行く。
我々の年代になると、仕事や家庭の事情や問題は誰しも持っている。
平々凡々とした普通の幸せな人生なんて聞いた事が無い。
無数に広がる選択肢の中で、生まれながら必然的な魚釣りという遊びを選び、それに深く関わり続けた自分と、音楽を始め色々な世界を見て釣りを見付けた藤井氏、幾つになっても、夏休みは終わる事無く続いて行く。
それは終わる事などきっと無いのだろう。
東洋式疑似餌釣研究所
疑似餌釣(ルアー フライフィッシング)のサイトです。 四季折々の美しく強かな魚達かいる。 情緒纏綿な水辺と人と魚の物語がある。 仲間の笑顔と空の蒼さそこには 忘れてはいけない大切な時間がある。 さて、どう釣りますか?
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