「今度渓流に行こう!」そんな曖昧な約束を最初に交わしたのは何時だったのだろう。
気が付けば15年、いや20年近く時間は流れてしまった。
魚釣が、私にもたらした不思議なご縁は何時もふとしたタイミングで降りてくる。
まだ20世紀が終わる前、私の仲間達は何処にでもあるような町の小さな釣具店で繋がって行った。当時は前のバスブームの真っ只中で常連の大半はバス釣りをする人達。
当時の私はトラウトをメインにしていたから、バスから離れ気味だったが、常連のバス釣りの上手な人達もオフシーズンになると管理釣り場でトラウトのルアーに熱を上げていたのでその時期だけは一緒に釣りをしたものだった。
スプーンの釣りはシーズンを通して本流、渓流、湖と場数をこなしていたから、誰にも負ける訳にはいかないと本気で思っていたけれど、思い返してみると、私と同じくらい、いや、私以上に上手な方がたくさんいたのである。
一つの釣り場で魚釣りを確率したり、ある特定の釣り方を上達するスピードは、一人よりも二人、二人よりも大勢で情報共有する方が遥かに早い。
今日こういう釣りをしたら、アタリがたくさんあった。
その翌日には、それを聞いた別の誰々が行ってこんな釣り方で大釣りした。
その翌週初めにその釣りを試したら、違うルアーでも同じ効果がありそうだ。
じゃあこのルアーを仕入れてみるわ。
と店主のレスポンスも早い。
釣りが上手くなる環境がそこには揃っていたのである。
その中でも知りあった仲間のひとり。
最近では、スモールマウスバスの釣りで色々学ばせていただいてる御仁との約束を果たす時が来たのである。
前日、私は能登半島から岐阜までの仕事を終えて中央自動車道を関東に向かっていた。
そんな時、今週がラストだから蕎麦食べてスピナーを投げに行きましょうというお誘いを頂き、
翌朝には埼玉の待合せ場所まで眠さと戦いながら走り抜け無事到着。
シートを倒すと 少しの時間で深い眠りに落ちた。
それから目が覚めるとあたりはすっかり明るくなっていた。
疲労感は取れないけど、釣りなら大丈夫。
正直いうと、あと3時間は寝たい。
仕事なら弱音を吐きそうな感じだ。
合流するやいなや、仲間の車、リアタイヤの空気圧が異常に低いのに気が付く。
「おはようございます!あれれ、パンクしてるよ?」
あわてて二人でパンク修理。
ダメだダメだとケラケラと笑いながら、緊迫感無し。
ゆっくり向かって着いたのは霧雨の渓流。
思い思いのタックルで、ぼちぼち釣り上がる。
今回わかったのだけど、仲間はゆっくりとした丁寧なペースのアングラーだった。
私より少し年上という事もあるけど、落ち着きある釣りは見習うところ。
釣り場での佇まいは、そのアングラーを表す。
しばらくしてまずまずのヤマメをキャッチ。
私も後に続く。
しかし、ここでヤマヒルの襲撃にあう。
払ってはたかられ払ってはたかられを繰り返し、もうキリがない。
もう、蕎麦に行きましょう?
とさっさと切り上げて、車に。
車に乗ると、膝の回りにまたヤマヒル。
ゲーターの中にも、シューズの中にも 。。
あわてて車を止めて、ゲラゲラ笑いながらヤマヒル退治。
塩をふるとナメクジ同様に溶けてしまうようだ。
おろしそば、シシトウガラシの炒めもの。
せせらぎを見下ろしながら食するのはまた格別だ。
午後から隣の川をやるも、ぱっとせず。
むしろ、蕎麦がメインの釣りだったのだけど、きっと5年、10年先でも忘れる事が無いような楽しい釣りだった。
また仲間とここへ来よう。
勿論、美味しい蕎麦を楽しむ為に。
東洋式疑似餌釣研究所
疑似餌釣(ルアー フライフィッシング)のサイトです。 四季折々の美しく強かな魚達かいる。 情緒纏綿な水辺と人と魚の物語がある。 仲間の笑顔と空の蒼さそこには 忘れてはいけない大切な時間がある。 さて、どう釣りますか?
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