絶滅危惧種 ニホンカワガキ

私と同じ昭和40年代生まれ、それ以前の世代の方で野山海で生まれ育った方であれば、きっと水遊び魚とりの経験をされていると思います。

ここ最近、水辺で遊ぶ子供を見かける事が無くなり、釣竿担いで自転車に乗る少年も数年に一度見るかになってしまいました。

駄菓子屋でわいわいやってる姿も無いし、路地で遊ぶ子供もいない、空き地で野球する子供を見かける事もありません。

あからさまに子供同士で喧嘩をする姿もありません。代わりに増えたのがスマホやゲームに夢中になっている子供達です。

水は危ないから、子供は近づいてはいけない。道路は危ないから遊んではいけません。
けんかはいけません、みんな仲良く。
勉強しなさい、宿題やりなさい。

確かにそうです、仰るとおり。

そして大人は何かを守って何かを失った事に気がつかない。子供達にはたくさん与えたと言うでしょう。より良い教育に取り組んだと言うでしょう。

でも、子供に必要なのは、好奇心と実体験。

私は立派な親では無いかもしれません。

ただ子供は色々なものに好奇心を持つ事が一番大切だと思っています。

「これ?なに?これ?」って一番子供らしい、自然な行動だと思うのです。

これをしなさい。こうしてはダメには、どうして?なぜか?がつくもんだと考えています。

例えば水が危ないから近づかないというのがあります、理由は川に落ちたら命を落とすかもしれないから。と言われますが、落ちたら経験があれば、溺れた経験があれば、次は慎重になり、注意をするでしょうし、水遊びをするうちにどうやったら溺れないかに好奇心が向いたとき、徐々に慣れて泳げる様になるかもしれません。

当然、親がそばでずっと見守っていく事は難しく実際はそんな事はできない。

私が子供の頃は、そんな兄貴分がいて色々教えてくれて、ピンチのときは助けてくれました。

悪い事も良い事もガキ大将が教えてくれたのが昭和の時代です。
だから川と上手に遊びながら釣りも覚えたのでしょう。

ところが、現代では見守ってくれる上級生や兄貴分がいない。子供達のコミュニティが欠落しているんですね。

私は息子達には釣りをして欲しいですから、釣りは1~2年経験させました。ルアーはさせません。

のべ竿に餌釣りです。

私の父は釣りをしないので、のべ竿での釣りが祖父と叔父に教わった釣りだからです。
今日に至るまでその原風景だけで、釣りを続ける事が出来たのです。

ここから先は本人が興味をもって進むか。

父のように成りたくないと思って別の世界に行くか、それともスポーツや勉強一筋になるのか?を決めたらいいんじゃないかなと思っています。

平成生まれの息子達には、私と同じような経験をさせるのは難しいと考えているからです。
日本の川から少年達が消える日。
これが差し迫っています。

これは10年後、20年後に釣り業界そのものが衰退する事を意味しています。

メーカー、関係者の方、釣り場にいる人をよく見てください。 

子供の姿はほとんどありません。

ましてや子供達だけで釣りをしている光景などは既に奇跡です。

日本の釣りを文化とするならば失ってはいけない事、子供から奪ってはいけない事があるという事に気付いて頂けたらと願います。

ニホンカワガキを絶滅から救う為に。

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東洋式疑似餌釣研究所

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